沈んで、浮かんで、漂って
彼女のような20代がまちに増えていけば、多摩エリアはもっと元気になる。確信を持って言えることは、彼女の選択が、彼女のお店が、そして彼女の存在が、周囲の人たちを勇気づけていること。
その彼女とは、坂根千里さん。一橋大学を卒業し、そのまま国立市の谷保駅近くで「スナック水中」をオープンさせた〝新卒ママ〟。
お店に訪れる一人ひとりのお客様の一挙手一投足を見逃さずに気を配る様は貫禄すらあり、2022年の4月にオープンしてすでに13人のスタッフを雇っている経営者の顔だ。
元々スナックのママとなった経緯は、在学中に大学近くにある「すなっく・せつこ」に客として訪れ、祖母のように歳の離れたせつこママにバイトしないかとスカウトされ、あれよあれよと継ぐことになってしまったというもの。
これだけを聞くと流されやすい性格なのかと邪推してしまうかもしれないが、実際に“起業”するまでは慎重な性格故に事業計画書を作成して金融機関から融資を受け、補助金を調達しながらも、直前まで悩みに悩んだ。
それでも、一つずつ疑問点を払拭していく入念さと、転校が多かったことから場に馴染んでいく対応力の高さ、そして何より気持ちが沈んでしまう自分のような人たちに浮上していく場を提供したいという、「水中」という店名の由来である強い信念があったからこそ、この時代に、この世代で、この決断に踏み切るという答えにたどり着いた。
同年代の人たちの居場所をつくりたい
スナック水中でできる体験は、坂根ママのサポートを受けながら“1日ママになること”。お店をオープンさせてから、「私もママをやってみたい」というお客様や関係者の声が多いそう。
「本気で挑戦してみたいという人に、ぜひ体験してもらいたいです。やってみると分かりますが、一瞬も気が抜けないし休みも取りづらい。体力的にも気力的も大変ですが、その分私に会いに来てくださるお客様に私自身も元気をもらえるし、何より自分もまだスタートに立ったばかりなので、起業したいという方を応援したい気持ちもあります」
まだまだ自分の地元や地域に関わる仕事をしたいと思う20代の人たちが少ない中、ママ体験を通じて多摩で働く魅力に気づき、彼女のように迷いながらも一歩踏み出す人たちが増えていくことを願ってやまない。
商品購入について
スナック水中で、1日ママになる。
2022年12月18日~2023年2月5日(日)までの日曜日
19:00~
40,000円(当日の売り上げは体験者の収益)
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